長崎のABC不動産のホンダです。
今日は本を紹介します。
「本物マンション購入計画」
著者:鈴木 雄二
評価★★★★☆
少し前にこのブログで紹介した、
「満室賃貸革命」の著者が、
分譲マンションの選び方について書いた本です。
「満室賃貸革命」では、
尖った魅力のある賃貸マンションについて書かれていましたが、
今回は、よくありがちな分譲マンションについて、
ズバッとメスを入れて、
「本当に良い分譲マンションとは」を考える本になっています。
著者の鈴木氏の考えや思想(理念)には、
毎回、強烈(熱烈)なインパクトがあります。
一貫して、「住む人の快適な生活」が深く考えられています。
充実した設備をウリにするマンションが多い中、
鈴木氏が社長を務める会社「株式会社リブラン」では、
(リブランは分譲マンションを供給するデベロッパー)
「便利=快適な暮らし」ではないという理念のもとに、
設備に頼ることなく、快適な生活ができるような工夫が施されているそうです。
例えば、エアコンに頼ることなく、
体感温度の調整を行うための、
風通しの良い間取り、
バルコニーの「緑のカーテン」、
ちょっとだけ開けることができる引き戸の積極利用など。
また、フローリングも手入れが簡単な人工素材のものではなく、
多少の変形は覚悟して、無垢の床材を使用する。
日本の気候には天然素材が一番良いという理由からです。
私も賃貸をやっていて思うのは、
床はやはり無垢材が絶対に良いということです。
人工素材は新品のときはとてもキレイなのですが、
数年経って、表面が少し剥がれただけでも、
非常に見栄えが悪くなります。
でも、だからといって、そのたびに張り替えていたのでは、
オーナー側の収支が合いません。
また、私はたとえ賃貸であっても、
「古さ」によって価値を上げられないかといつも考えています。
無垢の床材は、本書にも書かれていますが、
ワックスなどで手入れをしながら、長い時間をかけて、
多少のキズは気にならない飴色に輝く床に「育てたい」ものです。
まぁ、私のは、見た目の問題なので、
本書の視点とはまったくレベルが違いますけど(汗)
さて、リブランさんがいつもすごいなぁと思うことは、
自社の社員さんによる、マンションのコミュニティの創造活動です。
まず、マンションを建てる時に考えられているのは、
コミュニケーションが生まれやすい規模であること。
大きなものになってしまったときには、
エレベーターの数を増やして、
一台のエレベーターを利用する世帯の数を少なくすることで、
コミュニケーションの発生を促しているのだそうです。
あまりに多くの人とすれ違い過ぎると、
顔なじみになりにくいからです。
また、ソフト面でも、
マンション内での定期的なイベントなども行うそうです。
イベントで顔や名前を知ると、次にマンションで顔を合わせたときにも、
「この間はどうも」というようになるイメージでしょう。
さらに、マンションを購入した方には、
契約締結後に「子どもに部屋を与える時のお願い」という文書を
配布しているそうです。
何の問題意識もなく子ども部屋を与えるのではなく、
親がどんな思いで子どもに部屋を与えたのか説明し、
ルールを作って、約束を交わす。
子ども部屋は子どもの権利のごとく意見主張され、
挙句に引きこもりになってしまっては不幸だからです。
すごいですよね。こんなことまでやってるなんて。
マンションは、一戸建てと異なり、壁ひとつ向こうには、
別の家族が住んでいます。
そこには様々な問題が出てくることもあります。
たとえば、騒音問題。
これは、造りとして防音効果を高めることも大事ですが、
私の経験上、どんなに防音しても、
生活音は絶対ゼロにはできません。
そこで、著者は、
人間関係をきちんと作ることで、
その音の「聞え方」を変えることが重要なのだといいます。
確かに「知っている人」が出している音と、
「全然知らない人」が出している音では、
感じ方がまったく違うような気がします。
上の部屋で、子どもの足音がうるさいときなど、
その子どもと、あるいはその親と仲が良ければ、
「まぁ、子どもだから仕方ないさぁ」とか、
「あらあら、元気がいいなぁ」とか、
そんな感じになるかもしれません。
住宅でも会社においてでも、
快適な生活には、良好な人間関係が不可欠です。
でも、誰かが音頭を取らないと、
コミュニケーションはなかなか発生しません。
だからこそ、ここまでやっているのだと感じます。
さて、本書では、企業の新商品やCRSとは、
新しい価値やライフスタイルを
市場に認識してもらうための社会的な活動になるべきだと言っています。
当社の経営理念の中にも、
住まいの提案を通じて社会に貢献するとあります。
本書を読んで、住宅の箱や設備、見た目のことばかりでなく、
新しいライフスタイルの提案をやりたいと思いました。
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