長崎のABC不動産のホンダです。
今日も本を紹介します。
「交渉のデザインと実践スキル」
編著:産業能率大学総合研究所 交渉研究プロジェクト
評価★★★★★(満点)
当社は、人事評価の算定期間を今年から改めて、
「5月始まり」としました。
それに伴い、大きな人事異動や思い切った職種変えを行いました。
その結果、今年4月から入社した新入社員はもちろん、
他にも数人、営業未経験者が営業職に挑みます。
そこで、私も精神論やこれまでの経験談ばかりでなく、
もっと、論理的なことを教えたいと思い、
自分の勉強のために本書を購入しました。
実際に書店に営業本を探しに行ったのですが、
著名な方々の成功事例がズラリと並ぶ中、
今回、私が選んだのがこれでした。
理由は内容がとてもロジカルな本だったからです。
具体的かつ明快で分かりやすく、
交渉にあたって、合理的に考えることができる本です。
書いてあること、すべてが重要で、
ムダ読みが一切ないという印象です。
内容は、まず、
人の心の動き方(心理)の様々な要因が紹介されています。
たとえば・・・
・人間の持つ非合理性(同じことを言われても、許諾したり、しなかったり)
・損失回避性(人は得よりも損の方に大きなインパクトを感じる)
・非先見性(人は先のことを考えていない)
・アンカリング(人は目印に惑わされる。例えば、定価を表示してお得感を演出)
・フレーミング(人は状況によって違うように感じてしまう)
・パワーバランス(売り手と買い手、年上と年下、会話の主導権)
などなど、挙げたらキリがないほど、
具体例とともに分かりやすく解説してあります。
フレーミングの法則などは、有名ですよね。
ちなみに、パワーバランスに関して、
必殺兵器にBATNAというものがあるそうです。
BATNAとは、「交渉が決裂した場合の代替案」のこと。
例えば、私が価格.comで欲しい家電製品の最安値をチェックしたのち、
家電量販店にその家電製品を買いに行ったと想定します。
私の頭の中には、最安値がインプットされています。
たいていの場合、表示されている金額は、
その最安値よりも高い金額が表示されていることが多いです。
そこで、店員さんに聞いて、
いくらまで下げてもらえるか、ポイントは付くか、
などを確認します。
店員さんは当然売り込みをするのですが、
私は最安値が頭に入っていて、
それよりも高ければ買いません。
しかし、多少高くとも、
それ相応のメリットがあれば買うかもしれません。
すぐ持って帰れるとか、何か他に特典があるとか。
でも、その交渉におけるパワーバランスは、
売り手、買い手という以上に、
「もっと安くで同じものを買えると知っている」という、
私のほうが、強い立場にあります。
これが、必殺のBATNAです。
「別に無理しておたくから買わなくてもいいんだよ」という余裕。
つ・・・強すぎます。最強です。
当社に来店されるお客様の中にも、
このBATNAを持っている方もいらっしゃるでしょう。
ブルブル。
さて、本の前半では、
そんなことを理論的に学んでいきますが、
後半では、それらを考慮した上で、
・シナリオの作成
・交渉のレトリック(言い回し方)
・話し方やしぐさ、表情
などなど、
実際の交渉の場でどうするかということが
具体的に紹介されています。
巻末には、
本文で学んだ交渉のレトリックの一覧表と、
交渉のスクリプト集(台本)が収録されています。
これを見ながら、
自社オリジナルのスクリプト集を作るといいかもしれません。
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