交渉のデザインと実践スキル

  • 2011.05.16
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長崎のABC不動産のホンダです。

今日も本を紹介します。

「交渉のデザインと実践スキル」

編著:産業能率大学総合研究所 交渉研究プロジェクト

評価★★★★★(満点)

長崎のABC不動産の部長のブログ-交渉のデザインと実践スキル

当社は、人事評価の算定期間を今年から改めて、

「5月始まり」としました。

それに伴い、大きな人事異動や思い切った職種変えを行いました。

その結果、今年4月から入社した新入社員はもちろん、

他にも数人、営業未経験者が営業職に挑みます。

そこで、私も精神論やこれまでの経験談ばかりでなく、

もっと、論理的なことを教えたいと思い、

自分の勉強のために本書を購入しました。

実際に書店に営業本を探しに行ったのですが、

著名な方々の成功事例がズラリと並ぶ中、

今回、私が選んだのがこれでした。

理由は内容がとてもロジカルな本だったからです。

具体的かつ明快で分かりやすく、

交渉にあたって、合理的に考えることができる本です。

書いてあること、すべてが重要で、

ムダ読みが一切ないという印象です。

内容は、まず、

人の心の動き方(心理)の様々な要因が紹介されています。

たとえば・・・

・人間の持つ非合理性(同じことを言われても、許諾したり、しなかったり)

・損失回避性(人は得よりも損の方に大きなインパクトを感じる)

・非先見性(人は先のことを考えていない)

・アンカリング(人は目印に惑わされる。例えば、定価を表示してお得感を演出)

・フレーミング(人は状況によって違うように感じてしまう)

・パワーバランス(売り手と買い手、年上と年下、会話の主導権)

などなど、挙げたらキリがないほど、

具体例とともに分かりやすく解説してあります。

フレーミングの法則などは、有名ですよね。

ちなみに、パワーバランスに関して、

必殺兵器にBATNAというものがあるそうです。

BATNAとは、「交渉が決裂した場合の代替案」のこと。

例えば、私が価格.comで欲しい家電製品の最安値をチェックしたのち、

家電量販店にその家電製品を買いに行ったと想定します。

私の頭の中には、最安値がインプットされています。

たいていの場合、表示されている金額は、

その最安値よりも高い金額が表示されていることが多いです。

そこで、店員さんに聞いて、

いくらまで下げてもらえるか、ポイントは付くか、

などを確認します。

店員さんは当然売り込みをするのですが、

私は最安値が頭に入っていて、

それよりも高ければ買いません。

しかし、多少高くとも、

それ相応のメリットがあれば買うかもしれません。

すぐ持って帰れるとか、何か他に特典があるとか。

でも、その交渉におけるパワーバランスは、

売り手、買い手という以上に、

「もっと安くで同じものを買えると知っている」という、

私のほうが、強い立場にあります。

これが、必殺のBATNAです。

「別に無理しておたくから買わなくてもいいんだよ」という余裕。

つ・・・強すぎます。最強です。

当社に来店されるお客様の中にも、

このBATNAを持っている方もいらっしゃるでしょう。

ブルブル。

さて、本の前半では、

そんなことを理論的に学んでいきますが、

後半では、それらを考慮した上で、

・シナリオの作成

・交渉のレトリック(言い回し方)

・話し方やしぐさ、表情

などなど、

実際の交渉の場でどうするかということが

具体的に紹介されています。

巻末には、

本文で学んだ交渉のレトリックの一覧表と、

交渉のスクリプト集(台本)が収録されています。

これを見ながら、

自社オリジナルのスクリプト集を作るといいかもしれません。

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ホンダ

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