長崎のABC不動産のホンダです。
今日は本を紹介します。
「加賀屋の流儀」
著者:細井 勝
評価:★★★★★(満点)
日本一の旅館、
加賀屋のおもてなしの秘密に迫る本です。
加賀屋は、平成23年現在において、
31年連続、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、
総合1位の座を守り続けています。
本書は2006年に発売された本なので、
26年連続と書いてありますが、
それから今に至るまでもずっと日本一の旅館なのです。
最近、ホスピタリティについて学ぼうと、
「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」
という本を読みました。
そして、今回は日本式のおもてなしを学ぼうと思い、
購入したのが本書です。
最初、読み始めは、
「いや~、いくらなんでもここまでは」
といった感じで、
なんだか遠く離れた世界のような気がして、
★3つか4つくらいかなぁと思っていましたが、
全部読んでみて、圧倒的なインパクトと納得感で、
★5つ(満点)にしました。
加賀屋は、石川県という、アクセスにおいては、
不便と言わざるを得ない立地にありながら、
全国から驚異的な集客をしている旅館です。
「一度は泊ってみたい」ということで、
全国各地から、お祝いや人生の節目、
そういう特別な日に利用される方が多いようです。
2名1部屋利用だと、一番安い部屋でも、
ひとり3万円くらいするからです。
それだけならまだしも、
全国から石川県に行こうと思えば、
例えば、長崎からだと、
大阪を経由するなどしなくてはなりませんし、
交通費も高くなります。
それでも、地上20階、
収容人数約1300人の巨大旅館の
稼働率は8割を超えると言われています。
そんな加賀屋を訪れる方の、
おもてなしの期待感はとても大きく、
普通の旅館なら許されることも、
加賀屋では許されないこともやっぱりあるそうです。
ちょっとした粗相とか。
本書は創業の頃の話から、
時系列で、その当時の経営者や接客係の方、
お客様からの感謝の手紙などが紹介されています。
読後の感想として、加賀屋には、
おもてなしのDNAがしっかり根付いているのだなぁと
思いました。
感想が月並みですみません(笑)
このセリフは本書の中にも書いてありますし。
でも、本当にそれしかないんですよね。
ここで私が本書の中からチョイスしたエピソードを紹介します。
加賀屋は接待の場所として使われることも珍しくないそうですが、
ある時、電力会社の方が発電所の建設にあたって、
地元の地権者たちとの交渉を加賀屋でしていたときの話です。
交渉のあと、電力会社の社員が、
このとき担当していた接客係に、
どういう心境で自分たちの交渉を見ていたのか聞いてみたそうです。
すると、その接客係は、
「私は加賀屋の社員ですが、
皆様がお越しの際は私も御社の社員のつもりで接しています」
と答えたそうです。
現に、その接客係は、休日を利用して、
発電所の建設予定地を見学にまで行ったそうです。
何度も交渉が行われ、最終的に合意したときに、
電力会社の社員と接客係は、
一緒に泣いて喜んだそうです。
すごい話ですよね。
でも、本書には、サービスを超えた、
そんなエピソードがまだまだたくさん紹介されています。
加賀屋では、
客室係をはじめとする接客の第一線に立つ社員の個性を重んじ、
決して型にはめるような真似はしないそうです。
さっきのエピソードを見ても分かるとおり、
ここではマニュアルは役に立たないのです。
「マニュアルを意識するとどうしても事務的な対応になってしまう。
それよりもお客様にとって、
いま何が一番必要な心配りであるのかを察知する、
そんな気持ちを持たなければならない」
そう書いてありました。
旅館やホテルとは業種違いであっても、
我々も接客業。
他業種から、こうやって学ぶことは、
とても重要だと思いました。
ちなみに、加賀屋も、
リッツ・カールトンなどで研修をするそうですよ。
逆に世界の有名ホテルから、
加賀屋に研修依頼も入るそうです。
そういえば、JR博多シティに、
「加賀屋博多店」が日本料理店として入ってるようです。
九州でもプチ加賀屋体験ができそうです。
でも、やっぱり石川の旅館のほうに行ってみたいな。
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