仕事をしたつもり

  • 2012.01.07
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長崎のABC不動産のホンダです。

今日は本を紹介します。

「仕事をしたつもり」

著者:海老原 嗣生

評価:★★★★☆

長崎のABC不動産の部長のブログ

家事であれば、家電製品の技術の進歩などによって、

労働時間は確実に減っています。

仕事場においても、パソコンや携帯電話、

便利なOA機器は目覚ましく発展しました。

しかし、仕事の労働時間はどうでしょう?

技術の進歩は逆に無駄な時間を増やしてしまいました。

以前なら手書きで済んでいたものも、

パソコンで入力したものでないと手抜きに見えます。

残業している人に対しては、

そこまでがんばっているのだから・・・と、

周囲の目はたとえ業績悪くても許してくれる。

逆に定時で帰る人は、

もっとやれたんじゃないかと批判される。

信じられないことに、

無駄をやっていることが認められ、

無駄をなくすことは批判される。

そういうわけで、

「考えること」から逃げてしまうのですね。

そのほうが楽だから。

何も考えずに無難に残業していたほうが評価されるし。

本書では、そういうことが淡々と述べられています。

私は業績アップのために、

人より長く働くことに抵抗があります。

やるなら、人より速く働くとか、

人より賢く働くとか、

もっと時間を有効に使えたらいいなぁと思います。

結果の良し悪しも大事ですが、

その結果をどれだけの労力や経費を使って出したか、

それが一番大事だと思っています。

人時生産性を高めることが重要です。

さて、ここで、本書に掲載されていた、

仕事の本質を本気で考えさせられるエピソードを紹介します。

名取洋之助という人は、

戦前、世界に名を馳せた写真家であり、編集者だったそうです。

第一次世界大戦後のドイツは、

ライカやコンタックスなどのカメラが大流行。

街中にカメラ小僧が出没し、

彼らによって撮影された衝撃のスクープ画像が

新聞社や雑誌社に山ほど送られてきていたそうです。

でも、カメラ小僧たちは、何も考えることなく、

それが良かれと惰性でスクープ画像を撮っていただけでした。

そんなとき、美術館で大火事が発生し、

カメラ小僧たちは、

火事で黒こげになった死体など、

こぞって衝撃のスクープ画像を撮ったそうです。

しかし、当時ドイツにいた名取氏は、

そんな中にあって、

「年老いた芸術家たちが、

焼け跡から自分の作品を非壮な顔で探している様子」を撮影しました。

彼の写真は編集者の目を引き、最高賞を受賞。

欧州最大の週刊グラフ誌を発行する、

ウルシュタイン社にカメラマンとして採用されたそうです。

なぜか?

名取氏の作品が一番、

火事の悲惨さを伝えていたからです。

火事の本質とは、阿鼻叫喚の地獄絵図ではなく、

大切なものを失うつらさなのです。

その本質を見事に見抜いたところがすごかったのです。

死体の写真は見る人が目を背けてしまいます。

それでは、新聞社や雑誌社では意味がないし、

また、そんな写真は当時山ほどあったのです。

カメラ小僧は深く考えることをしなかったので、

それが分からなかったのです。

さらに、このエピソードには続きがあります。

実は、この写真を撮影したのは、

彼ではなく、彼の奥さんだったのです。

このことを知ったウルシュタイン社は激怒し、

彼を解雇しようとしました。

このとき彼は、

「こんな写真は誰でも撮れます。

ただし、この写真の素晴らしさを分かる人は少ない。

あなたは『手』が必要なのですか、

それとも、『目』が必要なのですか?」

そう言ったそうです。

そうですよね。

確かに「目」が必要です。

それが仕事の本質だと思います。

私も自分の仕事をもっとよく考えてみたいと思います。

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