紙の月

  • 2012.12.15
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長崎のABC不動産のホンダです。

今日も本を紹介します。

「紙の月」

著者:角田光代

満足度:★★★☆☆

長崎のABC不動産の部長のブログ

「八日目の蝉」の角田光代さんの小説。

今年3月に発売された本です。

主人公の梅澤梨花が勤め先の銀行から大金を横領し、

国外逃亡する物語。

本の説明には、

「果たして逃げ切れるか?」

というようなことが書いてあったので、

それがおもしろそうで購入したのですが、

内容はちょっと違っていました。

逃げ切れるか?

という物語ではなく、

真面目で正義感の強い主人公が、

横領事件を起こすまでのストーリーがメイン。

時系列で物語が進むのではなく、

まず、主人公の逃亡が先。

それがテレビや週刊誌で取り上げられ、

元同級生たちが事件を知ります。

そんな同級生たちも、

それぞれに複雑な家庭の問題を抱えていて、

それがサブストーリーとなって、

主人公の過去のストーリーと交互に展開します。

この物語に登場する女性のほとんどは、

お金を使うことによって、

満たされない心の隙間を埋めていきます。

そのお金の使いっぷりは見事ですが、

決して気持ちが良いものではありません。

物語には、悪人は出てきません。

普通の人たちばかりです。

でも、普通だからこそ、ちょっと怖い。

真の幸福とは何か、

真に心が満たされるには何が必要か、

そういうことを考えさせられる小説でした。

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ホンダ

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