遥かなる水の音

  • 2010.03.08
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長崎のABC不動産のホンダです。

今日も本を紹介します。

長崎のABC不動産の部長のブログ

「遥かなる水の音」

著者:村山由佳

評価★★★★☆

女性作家の本を読むのは、本当に久しぶりで、

この本の著者、村山由佳さんの本は初めて読みました。

内容は大まかには、

大人版、男女混合版、多国籍版の「スタンドバイミー」といった感じです。

「スタンドバイミー」は友情をテーマにしていますが、

こちらは、愛をテーマにしています。

菓子職人でフランス在住の日本人、周(アマネ)が病死します。

周は死ぬ間際、自分が死んだら、

その遺灰をサハラ砂漠に撒いてほしいという遺言を残します。

そこで、サハラを目指して、周の姉・久遠緋沙子、

同居していたゲイのジャン=クロード、

元同級生の奥村浩介と早川結衣の4人の旅が始まります。

一行の旅は、フランスからサハラに直行するのではなく、

周が生前、サハラを旅した時のルートを通って行きます。

この小説の特徴は、

途中、モロッコで合流する現地案内人サイード・アリを含む、

5人の登場人物の一人称(その人の目線で、その人が語り手となる)で

構成されているところです。

例えば、あるシーンは姉の久遠緋沙子の語りによって物語が進んで、

その後すぐゲイのジャン=クロードの語りに変わったりするので、

その直前の久遠緋沙子の語りで進んでいたシーンのとき、

ジャン=クロードがどう思っていたかなどを自身が重複して語ったりするので、

それぞれの登場人物の思惑が行き交いながらストーリーが進んでいき、

読み手としては、視点がコロコロ入れ替わってとても面白いです。

そのあたり、私が好きな24(トゥエンティーフォー)と少し似た感じがしました。

また、元同級生の奥村浩介と早川結衣が

日本で共同経営の雑貨店を営んでいるという設定上、

物語の中で雑貨がよく出てきます。

個人的に、雑貨が好きなので、そういうところも読んでいて楽しめました。

女性の方なら、モロッコの料理などもよく出てくるので、

それも楽しめるのではないかと。

全体的には、感動して涙する物語ではありません。

(それでもラストはホロっときますけど)

遺骨を持って(ジャン=クロードは「周を連れて」と表現しています)、

特に親しい間柄ではないメンバーで旅しているので、

楽しい旅の物語でもありません。

それでも、旅の臨場感が伝わってきたりして、とてもおもしろかったです。

私も実際、モロッコへ行きたくなりました。

それと、モロッコのタンジェという街のカフェにいた

老人の言葉が心に残りました。

「何かを強く願うとき、ただ『望む』のでは不充分だ。『信じる』のでなければね」

Hopeではなく、Believe。

そういえば、何かを願う時、あまりBelieveを使わないです。

これからは、「信じる」を使おうと思います。

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ホンダ

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