学習する組織

  • 2012.06.18
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長崎のABC不動産のホンダです。

今日は本を紹介します。

「学習する組織」

著者:ピーター・M・センゲ

満足度:★★★★☆

長崎のABC不動産の部長のブログ

書店で見つけて、タイトルに惹かれ購入した本です。

500ページもあり、なかなか読みごたえがあります。

いや、あり過ぎて、

読み終えるまでにだいぶ時間がかかりました。

今は、名立たるカリスマ経営者のような、

組織のために学習する人が

ひとりいれば充分という時代ではない。

真に卓越した存在になる組織とは、

組織内のあらゆるレベルで、

人々の決意や学習する能力を

引き出す方法を見つける組織だろう。

最初、そういう話から始まります。

そして、組織学習について、

もちろん、個の学習についても、

もし、学習しなかったらどうなるのか、

学習の妨げとなっているのは何か、

そこに必要なリーダーとはどんな人物か。

そういう内容が延々と述べられています。

ここで語れないほど多くの学びがありました。

その中から、考え方として、

最もわかりやすいと思った例題を少し挙げてみます。

【システム思考に関する、ビール・ゲームの例】

ビールの小売業、卸売業、製造業にわかれて、

各自がその役を担当し、ゲームをします。

あるとき、有名人の宣伝により、

そのビールが一瞬だけいつもより売れます。

小売業者は、在庫を切らしたくないので、

卸売業者に催促しますが、

なかなか必要な量を得られない。

そこで必要な量よりも多めに発注することで、

実際に必要な量を確保しようとします。

たとえば、いつもは2ケースの注文だったのに

これを2倍の4ケース注文する。

卸売業者の元には、

こういった小売業者からの注文が殺到し、

パニックを起こします。

なにしろ、通常の2倍の量を早く納品するよう、

顧客から要望が殺到しているからです。

この注文に応えられないと、

小売店が他の卸売業者に流れてしまう。

工場にもっと生産を急ぐように訴えます。

さて、工場はこの動きを見て、

製造ラインを拡大し、一気に量産体制を整えます。

ところが、しばらくすると、

その工場への注文がピタッと止まります。

同様に小売店から卸売業者への注文も

ピタッと止んでしまいました。

なぜか?

小売店に在庫があり過ぎて、

これをさばくまで注文を控えたからです。

なぜ、そんなことになったか?

最初に言ったように、

ビールがいつもより売れたのは、

「一瞬」だけだったからです。

売れ行きは、すぐにいつもの量に戻ったのです。

しかし、小売店は一瞬売れたせいで、

在庫がゼロになった。あるいは、なりかけた。

それを補充しようと、やっきになって注文するが、

一向に仕入れられない。

そして、結果的に過剰な注文をしたので、

在庫があまり過ぎた。

卸売業者や工場には、

実際の消費者の姿が見えないので、

小売店からの注文で判断するしかありません。

そして、その注文の多さから、

継続して売れ続けていると見えたはずです。

この悲劇が、

小売店や卸売会社に大量の在庫を余らせ、

工場は注文が入らないので、製造を完全にストップ。

設備投資も考えれば、相当な大ダメージです。

さて、誰が悪かったのか。

実は誰も悪くないのです。

システムが悪かった。

自らの決定が周囲にどんな影響を与えるか、

それを考えていなかった。

出来事に焦点を合わせてはならない。

【「遅れ」に対する認識に関する、シャワーの例】

温度を上げた後の10秒間、

水は冷たいままである。

なかなか熱くならないので、

もっと温度を上げる。

しばらくすると、熱湯が飛び出す。

びっくりして温度を下げる。

また冷たくなる。

行動が積極的であればあるほど、

ちょうどよくなるまで時間がかかる。

効果が出るには時間がかかるのである。

【問題のすり替わりに関する、ストレスの例】

ストレスがたまると飲酒量が増える。

そうすると、ストレスが和らぐ。

そうすると、仕事量を調節する必要性がなくなる。

それによって、仕事量が増える。

それがまた、ストレスの増加に繋がる。

【過去の構造に関する、ボストンの道の例】

ボストンの最も歴史の古い場所にある道には、

一切のパターンがない。

20世紀の舗装道路は、

19世紀までに形作られた

荷車用の道路の上に敷かれたもので、

その荷車用の道路は、

さらに1世紀さかのぼった頃に、

牛が踏みならした小道である。

特に何も意図していなかったであろう、牛が。

私たちがこれまでと違った見方で過去の構造を見て、

行動し始めれば、その構造は変わる可能性がある。

たったこれだけ見ても、

この本から学べることが多いと

感じていただけるのではないでしょうか。

世界で100万部売れているこの本。

中国では、自己啓発本だと認識されているそうです。

自ら変わりたいと思っている方、

あるいは、自分のチームや組織を変えたいと思っている方、

一度読んでみられてはいかがでしょうか。

組織を変えるのは、経営陣にしかできない。

本書によれば、

その考えがすでに間違っているようです。

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ホンダ

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